LP/資料/SNSがバラバラの打ち出しになる時のデザイン整理手順
- SATSUKI DESIGN OFFICE

- 1 日前
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新規事業や新サービスの立ち上げでよく起きるのが、「LPはいい感じなのに、資料は別人格」とか、「SNSだけ温度が違う」といった状態です。媒体ごとに担当者が違う、制作会社が違う、急いで出した。理由はさまざまですが、根本原因はだいたい同じです。バラバラなのはデザインの問題より、メッセージの階層がないこと。この記事では、LP・資料・SNSを同じ会社の言葉に揃えるためのデザイン整理手順を、解説します。
バラバラの症状
まずは現状の確認です。ひとつでも当てはまる場合、メッセージ階層が崩れている可能性が高いです。
・LPのキャッチは強いのに、資料は機能説明が中心
・SNSは共感寄り、資料は堅め、LPは攻めている(温度差が大きい)
・各媒体で「対象」が微妙にズレている(誰に向けた話なのか揺れる)
・同じ言葉を使っているのに、意味が変わって聞こえる
・社内説明のたびに「結局何のサービス?」が起きる
この状態だと、見る人は無意識に「まだ固まっていない」「信用しづらい」「理解コストが高い」と判断します。結果として、検討が進まず、離脱が増えます。
デザイン整理は「1→3→10」の順(核→柱→具体)
揃える時にやりがちなのが、媒体ごとに文章やデザインを横並びで調整することです。ですが、その方法だと微調整が終わりません。おすすめは、整理の順番を固定することです。1→3→10 の順で決めます。
1とは、1つの核(コア)一言で何を約束するサービスか。誰の何をどう良くするか。
3とは、3つの柱(サブメッセージ)コアを支える3つの理由・価値。多いほどブレます。
10とは、10の具体(証拠や詳細)事例、機能、プロセス、料金、FAQ、比較、数字などの説明材料。
この分量や順番が逆になると、機能や施策が先に立ち、媒体ごとに説明がズレていきます。整えるとは、文章を揃えることではなく、階層を揃えることです。
3レイヤー設計
ここから実装です。最低限、次の3レイヤーを作ります。
核(コア)の一文を考えてみましょう。「誰の、どの場面の困りごとを、どう良くするのか」を1文で書きます。
例:
新規事業の立ち上げ期に、言葉と表現が散って意思決定が進まない状態を、コンセプト設計から伴走して整える。
柱(サブメッセージ)の3つに絞りましょう。
例:
・判断基準を揃える(好みの議論を減らす)
・手戻りを減らす(作る前に合意を取る)
・媒体を一貫させる(LP/資料/SNSを同じ言葉で)
具体(証拠)を10個くらい並べてみましょう。
例:
事例(Before/After)、制作物例、進め方、料金の考え方、FAQ、実績、数字、比較など。
この3レイヤーができると、媒体は別々に作るのではなく、同じ設計図から出力するだけになります。
媒体別に落とす(LP・資料・SNSの役割分担)
次にやるのは、各媒体の役割を決めることです。役割が違うため、同じ文章をコピペしても揃いません。
LPの役割:初めての人に「一瞬で理解」させる
・コア(1文)を最上段で提示
・サブ(3つ)は短く
・証拠は厳選(事例、FAQ、料金など信頼要素中心)
資料:検討する人に「判断材料」を渡す
・コア(1文)+前提(課題)
・サブ(3つ)を厚めに説明
・証拠(10)を丁寧に(プロセス、比較、体制、スケジュールなど)
SNS:興味の入口を作り「次の行動」につなげる
・コアを毎回言わない(重くなる)
・サブ(3つ)のどれか1本に絞って語る
・LP/資料に行きたくなる“ひっかかり”を作る
同じ会社の発信でも、媒体ごとに見せる部分が違っていい。ただし、軸(コア)と柱(サブ)は必ず同じにします。
同じ話を別角度で言う例
同じことを言っているのに、別の投稿や資料に見える状態を作るのがコツです。
例えば、コアが「新規事業の言語化と表現を整える」場合。
LP:新規事業の伝わらないを、言葉とデザインで整える。
資料:意思決定が揺れる原因を分解し、判断基準と言語を揃えることで、制作の手戻りを減らす。SNS: “なんか違う”が増える組織ほど、判断基準が未設定。最初に決めるのは好みではなく目的です。
角度は違っても、言っている骨格は同じです。これができると、媒体は増やしても崩れません。
チェックリスト
公開前に5分で確認できる項目です。チームでも使えます。
・コア(1文)がLP/資料/SNSで共通か
・サブ(3つ)の言い方が揃っているか(順番含む)
・対象(誰の)が媒体でズレていないか
・約束(どう良くなる)が媒体で変わっていないか
・証拠(事例/根拠)がサブに紐づいているか
・LPに信頼要素(料金/FAQ/実績)が最低限入っているか
・SNS投稿がサブのどれか1本に絞れているか
・文章のトーン(敬体/常体、強さ)が極端に違わないか

ここで引っかかる場合は、デザインを触る前にコア/サブ/証拠の設計に戻るのが最短です。LPか資料のどちらか1つを見せてください。どこがズレてるか指摘できます。もし今、LP・資料・SNSがバラバラで迷っているなら、LPか資料などの資料をお問い合わせ時に見せてください。文章やデザインの良し悪しではなく、メッセージ階層のどこがズレているかを確認し、改善案をご提案します。


